オンサイトトライを堪能/古賀志山

「羚羊(かもしか)ハング」(11a)、マスターオンサイト。

はじめての古賀志山

三連休の中日、伊豆や東京は昼くらいからの雨予報。
しかし、北関東では雨は夕方からになりそうということでMエさんからお誘いいただき、宇都宮の古賀志山に同行させてもらった。お久しぶりにお会いするまかべんさんと、Nハマさんの4人。

6時に亀有でまかべん号にピックアップしてもらい、下道経由で駐車場に着いたのは9時前だった。早い。

正面エリアに荷物をデポしようとしたら、ローカルらしきクライマーに「今日は滝神社の神事がここで行われる」と言われ、左エリアに居を構えた。

左エリアで準備をしてると、下から地元の方が登ってくる。そして、火が焚かれ、御弓始めというのだろうか? 的に向けて矢を射る神事が始まった。

神事とは言っても、禰宜とは思えない一般の方が行っているようで(この神社に専任の神職がいるとは思えないが)、厳粛と言うよりは和やかな雰囲気で、見守っている人は焚き火にあたり、矢が当たれば歓声が上がり、外れれば笑いも出ている。なかなか楽しそう。

看板ルートをマスターオンサイト

こちらは、5.9と10aでアップ。寒いし、岩が冷たい。昨日はシーサイドで、半袖でも暑いくらいだったのに……。そして、岩も昨日とは違って、とがったカチ。なかなか身体が対応できない。

そうこうするうちに、神事も終わって正面エリアが無人になった。まかべんさんによると、普段はクライマーがたくさん集まっており、看板ルートの「羚羊(かもしか)ハング」(11a)などは、何人も順番待ちになる人気で、だれもいないことは珍しいらしい。

それでは、ということで、ヌンチャクがかかっていない「羚羊ハング」にオンサイトトライ。下からじっくりとオブザベする。名前の通りのハングだが、大きなホールドが多く、登りやすそうには見える。

下部のアプローチから、3本目のハング下までヌンチャクを掛け、中間部で少しレスト。ハングをぐいぐい超えて、終了点へ。マスターオンサイト。やはりマスタースタイルでのOSは、格別に気分がいい。

ホールドはほとんどガバで、ジムで登りこんでいる現代クライマーなら気持ちよく登れるルートだと感じた。

「タイムスリッパ」もMOS!

実は昨日、メッセンジャーで、Kスケさんに古賀志山の11台のおすすめルートを聞いてみたところ、挙げてくれたのが「羚羊ハング」と「タイムスリッパ」。で、次は、「タイムスリッパ」(11b)にトライ。

垂壁の長いルートで、当然カチカチ。下部は5.8のルートと共通で、途中の棚までは簡単なアプローチ。上から11bのパートになるが、遠くて、目が悪い自分にはオブザベしようにもよく見えない。5.8パートにはヌンチャクが掛かっているが11bパートはマスターで。

ガバばかりの「羚羊ハング」とは違って、チャートの垂壁カチルートではどこが効くホールドなのか、わかりにくい。ただ、レストできるポイントもある。行きつ戻りつしながら、粘りに粘って、なんとかマスターOS。15分くらい壁にいたかも。しびれた。

レストのとき右のカンテを持ったのが、ちょっと微妙だったかも。右のカンテから登ったら明らかにルートが逸れているとは思うが、手の届く範囲のホールドを持たないという限定をするのも変ではある。トポには特に指定はないので、まあいいかと。でも、カンテは一切触らない限定にした方が充実しそうではあった。

次は、Mエさんがトライした「ウイズアウトユー」(11b)。カンテを登り、上部が悪くてテンション。なかなかムーブが作れなかった。左右のルートが近くて、どこまで使っていいのかよくわからず、釈然としない。これはもういいや。

午後も2時くらいになると、だいぶ雲が厚くなり、いつ雨が降ってもおかしくない感じに。そして気温が低い。寒くて身体が動かないので、例によって登山道で軽くランニングをして身体を温める。

少し身体が温まったところで、Mエさんがトライしてヌンチャクを掛けてくれた「ノンストップダンサー」(11a)へ。わかりにくいラインを探りながら登り、核心部に到達。粘って突破した、と思ったら、クリップムーブを間違えてフォール。くやちー。でも、このルートは面白かった。人気ルートらしいが、さもありなん。

ただ、核心を超えた後の、右の5.8ルートへどのあたりから合流するのかわかりにくいのが玉に瑕。わかりやすい直登の「ノンストップダンサーダイレクト」(11b)で登った方が、充実しそう。

3時半くらいに、Mエさんが同ルートに再トライしているとき、雨が降り出し、即座に撤収。帰り道で本降りになった。

帰りは高速に乗り、亀有には6時過ぎくらいに着いた。速い。

はじめての岩場で、5.11-と低めのグレードとは言え、2本もMOSできてとても楽しかった。通い詰めてひとつの難しいルートを落とすのもそれはそれで楽しいが、やはりオンサイトには、他には代えがたい充実感がある。クライミングの最高の醍醐味だ。

気温、服装メモ

東京の予想最高気温は11度くらい。撤収前に計測した現地気温は4.5度。古賀志山は比較的暖かい岩場だと聞いていたが、さすがに曇りだと寒い。

家を出るとき、上は長T+半T+R2+ダウンジャケット。ボトムは厚パンツ。登るときは長T+半Tで良いかと思っていたが、寒かった。もう少し暖かく登れるウェアがよかった。
岩は冷たくて、焼石があれば欲しかったくらい。

正面エリア、神社前で、地元の方による御弓始め(?)の神事が行われていた。

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