パン1そしてパン2/城ケ崎・シーサイド

まさかの雨

2日目は6時ごろ起床。朝食(カップうどんと納豆)を食べて宿を出ると、道路がびっしょり濡れている。雨が降ったらしい。予報では降水確率10%、晴れときどき曇り、だったのに。

コンビニに寄り、岩場へ降りたのが8時過ぎくらい。早いが、すでに数パーティが登っている。「エアダンス」の次の目標と考えていた「パンピングアイアン1(パン1)」は、びっしょりと染み出している。昨日、帰るころにはだいぶ乾いていたので今日は、と思っていたが、雨が降ったのでは仕方ない。

「パンピングアイアン2」初トライ

ヌンチャクがかかってる「パンピングアイアン2」(12b)をトライしてみることにした。

このルートの1ピン目は高い。かなり上まで登らないと、掛けられない。そして、ガバだけど壁はどっかぶりというか、ルーフである。

「風に吹かれて」だって「ホワイトシャーク」だって、1ピン目は高いけど、80度くらいの、緩傾斜の壁だ。どっかぶりで、1ピン目があの高さはけっこう怖いような……。もしホールドが欠けたりしたら、背中から真っ逆さまに落ちる。

実際、見ていると、ほとんどのクライマーは、木の枝などでプリクリして登っている。Oトモさんのプリクリ棒を借りてプリクリすれば簡単だろうが、さすがについ先日にあんな記事を書いたばかりなのに、プリクリ棒は使えない。余計なこと書かなければよかった、俺のバカバカと後悔するが、後の祭りとはこのこと。

しかし、出だしから少し登ったガバ地帯には、いくらでもカムが決められそうだ。ヌンチャクを掛けていたSダさんが赤キャメ(1)がいいと教えてくれた。自分も一応カムを持ってきたのだけど、緑(.75)までしかない。緑でも良さそうだったが、Sダさんが貸してくれるというので、赤キャメをお借りした

まずフリーで登って適当な位置にカムをセットして、一度クライムダウン。それからロープを結んで登りなおす。カムをテストすると、しっかり決まっているが、ルーフ下のトラバースの入り口なので、ここにロープをかけたままだと、ロープの流れが悪くなるし、クライマーが上部に登るとビレイヤーからクライマーがかなり見づらくなる(それだから1ピン目があの位置なのかもしれない)。

それで、そこから少し登って、2ピン目(ボルトの1本目)を掛けたところで、カムのロープを外しておく。「アイロンヘッド」と同じだが、アイロンよりは近いので、外すのは楽。

トラバースを超え、かぶったガバをテンテンで探りながら登る。核心部のムーブはよくわからなかったが、チョンボで超えて、終了点までトップアウト。上部の垂壁が、思ったより悪い。最後はリップを乗っ越して立ち上がって終了らしい。(一説には、乗り越してから最終クリップをしなければならないというローカルルールがあるとか?)

ホールドの多くは、ガバといえばガバなのだけど、水平の皿ホールドが多いので、かなり前腕が張る。ルートの感じはわかったけど、すぐには登れそうにないなあ。

「パン1」は核心抜けられず敗退

朝方は曇りで寒かったのだが、昼くらいから日が差し暖かくなってきた。温度計を23度を示している。昨日は風が強かったが、今日は無風。昼食を食べて、岩の上で横になってると、ポカポカと気持ち良くて短い時間だが熟睡してしまう。

さて、次はどうしようかと思ってふと見ると、「パン1」のラインが、だいぶ乾いてきたように見える。これは、と思って間近でみると、登れそうだ。

じゃ、やってみるかとロープを結びヌンチャクをたくさん持って登りはじめる。しかし、どうやらしばらく登られていない感じで、ホールドが全体的に塩っぽい。塩でぬめる感じ。ムーブもよくわからないところが多い。

核心のルーフ下まではたどり着いたが、ルーフが超えられない。そもそもルーフ下からは上の垂壁部分が、テンションを掛けた状態でもまったく見えない。核心ムーブも難しい。何度かトライしたが、とても乗り越えられそうにないので、情けないが、敗退することにした。

残置カラビナは支点用ではないが

ルーフの少し下のボルトに、回収用の残置カラビナがある。が、ゲートのバネが効かなくなった腐りかけたようなカラビナだ。この1枚を支点にして、ロワーダウンしながら回収。正直、かなり怖かった。

ルートの途中にある回収用の残置ビナは、振られ止め(壁から離れないため)に使うものであり、支点にするためにあるわけではない。それに文句を言うのは筋違いであることはわかっている。また、そもそも、カラビナ1枚だけを支点とするのは、支点は必ずバックアップを作るという原則から外れた、危険な方法であることもわかっている。しかし、仕方ないときもある。

それでも、あのカラビナではさすがにまずい。次回に登るときは、自分のビナを持って行って交換しよう。

ちなみに、1本目は遠くてロワーダウンのまま回収するのは大変なので、いったん下まで降り、トップロープ状態のまま登り返して回収。ぶら下がるのが嫌なので、クライムダウンした。

「パン2」ふたたび

パン1と、最初に登ったパン2とを比べると、なんだか2の方が可能性がありそうに思えた。

で、もう一回「パン2」。(カムを含めて)4ピン目までは問題なしで、そこから核心部。うーん、ムーブがわからない。5ピン目のクリップがかなりきつい。これ、上のガバを取ってからクリップした方がいいんじゃない?と思って、後からyoutubeでみたら、みんなそうしていた。やっぱりか。

その上部で、みんなが使う右面のホールドを見落としていて、大きくフォール。そのまま降り。このルートの核心部は、パン1と違って壁に叩きつけられる可能性はないけど、壁から離れると戻れなくなる。

2日目だとやっぱり疲れてるし、指も痛いということで、やや早めだが3時半くらいに撤収開始。昨日教わった「カマキリ方式」で登り返しを登って、上の散策路に出たのがちょうど16時くらい。

帰りは小田原あたりまで意外にもけっこうな渋滞があり、荻窪駅到着が21時くらい。少し遅い時間に出た方が、かえって良かったかもしれない。

Oトモさん、運転ありがとうございました。

スポンサーリンク