●朝はマイナス2度で先が思いやられたが…
土曜、いつもの0823西吾野着の電車。
駅前に車を停めて待っていたOトモさんが、車から出てくると開口一番、「寒いですね。さっきマイナス2度でしたよ」と。
たしかに、先週よりもぐっと空気が冷たい。しかし、天気予報では、飯能市の気温は、先週と同じくらいの12度くらまで上がるはずである。はずであるが、現実はマイナス2度である。
駐車場で車を降りると、岩場への登り口には、高さ2~3センチはありそうで霜柱でびっしりと覆われている。これも、先週にはなかった。
霜柱をざくざくと踏みしめながら、岩場へ。途中で、猟銃をむき出しで抱えているハンターに出会った。猪か鹿を狙っているという。こんな人里近い林で猟をするのかと、ちょっと驚いた。
私はつい、登りながら唸り声を上げてしまうことがある。普通の人間なら登らないような岩壁にへばりついて、獣のような唸り声を上げていたら誤射されないかしらんと、少々心配になった。
「UV」12aをRP
前回同様、最初にOトモさんが「北落師門」にヌン掛け。ビレイをしている間に、便意を催してくるところも、前回同様。Oトモさんさんを降ろしたら、そそくさとハーネスを脱いで、旧小学校のトイレへ。
余分なものを出し体を軽くして、さらに往復を小走りでいくと、体が温まる。いいウォーミングアップになる。
これまた前回同様、「茶摘み唄」を登り、上部の共通終了点(?)までトラバースし、降りながら「UV」にヌン掛け。今回は、UVパート2本目用の連結長ヌンをあらかじめ作っておいた。
岩の状態は良い冷たいことは冷たいが、痛くなるほどではない。そしてからからに乾いている。
天気予報通り、ビレイをし休憩している間にもだんだん気温が上がり、5度くらいになった11時過ぎ、冷えてしまった体をヒンズースクワットで温め、登る気満々でカメラをセットし、トライ開始。
下部は問題ない。中間のレストポイントで十分に指に休め、暖め、核心突入。心配だったクリップは、ムーブを変更したら難なくこなせた。あとは、すでに作った規定通りのムーブで進むだけ。前回落ちたリップ上の見えないホールド取りも、一発で決まった。リップに立ち上がり、5メートルくらい上の終了点まで歩く。雲ひとつない空。最高に気分がいい。
無事に、「UV」12aをRP。楽しませてくれた紫外線、さようなら。
本日1トライ、合計では14トライ。ちょっとトライ数が多すぎた。早めに(前々回に)クリップ体勢をしっかり決めておけば、前回に登れているはず。詰めが甘い。12aなら、「3日10便」以内では登りたいところだ。
「UV」ルート感想
微妙なバランスやテクニカルな動きはなく、かぶったルーフをホールドをバシバシ叩きながら超えていくので、なかなか気持ちいいルートだと思う。
下部は「雨宿り」(10b)というルートになっている。簡単なアプローチ。
その終了点(残置カラビナ2枚)から、どっ被りのルーフを超えるのがUVパート。UVパートに入る前に、ノーハンドは無理だが、かなり良いレストが十分にできる。なので、レスト後からリップを乗り越して立ち上がるまでの、10手(3ピン)ほどの短いパートだけが、実質上「UV」となる。
つまり、その10手ほどだけで12aがついているようなものなので、ムーブの強度はそこそこきつい。とはいえ、テクニカルな難しさは無い。バシバシとホールドを叩きながら超え、最後は力任せに(?)リップに乗りあがるフィジカル系ルート。
体感的に、T-WALLのボルダリング強傾斜壁(130度、150度)のファイル課題で、6級か5~6級くらいかな。たぶん、5級はない。と言えば、わかる人にはわかるだろう。そこに、クリップが加わる感じ。そのクリップがいやらしく、クリップ核心かもしれない。スリングを使ってすごく長いQDを作れば簡単になるかもしれないが、それは自分の好みではない。ヌンチャクが50センチ以上にもなったら、ルートの質が変わると思う。せいぜい1本付け足すくらいにしておいた方が、品があるというものだ。
最後のリップ上への乗り越しは、よく効くホールドが下からだとまったく見えないのが難点。だが、位置を覚えてしまえば、ムーブ自体はさほど難しくない。少なくとも、自分のラインなら。もうちょっとど真ん中を超えたいところだが、完全に乗り上がる前にクリップもできているし、まあいいかと思う。
それより、核心に入るところ、右端のアンダーガバから左手を飛ばしいてるが、ここはもっとボルト沿いに直上できそうな気がする。ボルトの位置やトポの記載からも、たぶん、オリジナルラインは右のアンダーガバを使わない、直上ラインだったと推測している。
実は前々回に、Wっちさんが、試していたがけっこう厳しそうだった。いずれ試してみたい。
リップ上に立ち上がって終了。終了点は先。
なお、この岩場の他の多くのルート同様、リップに完全に立ち上がらないと終了とみなされないので注意。
立ち上がった後、左上に見える終了点まで5mほどあるが、クライミングとしてのムーブがあるわけではなく、ただ慎重に歩くだけ。だから、リップに立ち上がった時点で終了とみなして、そこから降りても問題はないようにも思う。ただ終了点があるなら、RPのときは、そこまで行っておいた方が、気分はいい。
グレーディングは、まあ妥当か
グレーディングだが、下部は実質アプローチで、上部の10手、3ピンほどだけの短くボルダーチックな課題なのでルート課題としてのグレーディングはなかなか難しい。が、「秋葉大権現」(12b)よりは絶対に簡単なので、12aで妥当なのでは?
「北川の12aでは最難」と呼ばれているらしいが、どうだろう? 僕の感覚では、「ルンルンひろし君」の下部の方が難しかったような気がする。まったくタイプが違うので、ムーブの得意、不得意の問題かもしれないが。
Oトモさんも無事「北落師門」を登り、早退決定
朝の1便で早々と課題を終えてしまったので、あとはのんびり。「北落師門」のヌンチャクを途中まで借りて、「錦ヶ浦」上部を久しぶりに触ってみた。が、相変わらずできる気がしない。あきらめて、回収して降り。
Oトモさんがついに「北落師門」をRPしたので(おめでとうございます!)、その後で自分も登らせてもらう。上部はもう2年くらい触っていないのかな? 完全に忘れていたけど、核心のリップまでは行けた。が、リップで落ちた。リップ上を探るのは、かなり余裕がないと難しい。これはOSできたら、なかなかじゃないかなあ?
ヌンチャクを全回収して降り。ここの回収、久しぶりにやったけど、まあ悪いね。たぶん、一度ロワーダウンして、ロープの逆端に結びなおしてTR状態にして、登りなおした方が早いと思う。
最後は、「茶摘み唄」のヌンチャクを回収し、まだ時間は早かったが、Oトモさんも自分も課題が終わったので、ちょっと気が抜けて、もうあまり登る気もなくなり、まだ3時前だが撤収。こういうやる気のなさだから、強くならないのかなあ?
●気温、装備メモ
前日はずいぶん冷えたが、当日の飯能市の予想最高気温は12度。上に書いたように、現地の朝の冷え込みは厳しかったが日中はかなり寒さがゆるみ、ほぼ無風だったので、冷たい北風に一日中吹かれた先週より暖かく感じたくらいだった。日中の現地最高気温は9度くらいまで上がった。9度で無風なら、さほど寒さは感じない。
しかし、朝起きた時はずいぶん寒かったので、アンダーウェアのモンベル・ジオラインは前回までのLWから、MWに上げた。
その上にシンプルガイドジャケットを着て、さらにその上にユニクロのインナーダウンベスト。それから、ナノパフ。ボトムは厚パンツ。
持っていくのをダウンコートと、ベンチコート、どちらにしようか迷ったが、予想最高気温からすると前回よりは寒くないはずと考え、ダウンコートに。帽子と象足をザックに詰めた。朝だけは役に立った。
ドリンクは前回と逆に紅茶を500、コーヒーを300。
寒さを警戒してなのか、今回も先週に続いて、他のクライマーは現れず。2人で貸し切りだった。