●夏のアウトドアは沢!
別のところでも書いたが、日本の夏はアウトドアスポーツには向かない季節。
外岩でのクライミングなんて、もっての他だ。
もちろん高地なら別であろうが、でも15年くらい前から小川山に通っているクライマーに聞くと、小川山・カサメリあたり(標高1500mくらい)でも、昔に比べるとずいぶん気温が上がっているらしい。恐ろしい。
それに、東京からだとそこそこ遠くなるので、キャンプを兼ねてのんびり遊びにいく感じならよいが、暑い中クライミングのためだけに日帰りで行こうという気にはまったくならない。
クライミングなら、おとなしくエアコンの効いたジムに引きこもっているのが吉であろう。
だが、水遊びなら別だ。暑いときこそ、水遊び。というわけで、沢に行ってきた。
Kヤマ、KJ、Nジマの各氏と同行。目指すは、秩父、中津川水系・大若沢。
●沢靴が行方不明
土曜の朝に早起きしてパッキングしようと思ったら、フェルトソールの沢靴がない。部屋のどこかにはあるはずなのだけど、引っ越しの時にしまったのが見つからない。
集合時間は決まっている。時間がないので、沢靴はあきらめて、「ハイパーV」を履いた。
(ハイパーVの詳細については、後ほど、別記事で)
池袋から西武秩父行きの特急レッドアローに乗車。運賃に加えて700円の指定席料金はかかるが、終点まで寝ていればいいだけなので、実に楽である。北川の岩場に行くのにも使いたいくらいだ(その場合は横手で乗り換えになるけど)。
秩父でNジマ号に拾ってもらい、中津川沿いの「彩の国ふれあいの森」へ。30分くらいだろうか?
駐車場で沢装備に着替えて大若沢へ入渓。
さて、初めて沢で実戦投入されたハイパーVの実力は……?
す、すべる^^;
久しぶり(1年ぶり)の沢だし、最近は普通の山歩きすらまったくしていないし、脚力が落ちているところに滑るシューズで、難儀した。
それでも、じゃばじゃばと水流を進んで行くのは気持ちよい。
滝も2カ所巻いたけど、あとはだいたい直登できて満足。1回、滝で足が滑って軽くドボン。頭を軽く岩にぶつけた。ヘルメットをかぶっていたので平気だったが、直登志向のクライマーなら、やっぱりシューズは大切かも。
●早めの幕営
3時間か3時間半くらいの遡行で、沢の水流がかなり細くなり、源頭部の様相となる。たぶん、水不足なのだろう。まだ標高は1,200mくらいで、尾根(1,700m)まではだいぶある。
翌日、夕方に仕事予定のあるメンバーがいたため、早めに撤収したいということで、協議の上、尾根までは詰めず、適当なテン場で幕営することにした。
たき火をしながら宴会(自分はノンアルコール)。朝が早かったので9時前には就寝したが、夜中に空腹で目が覚めてしまった。うるさいくらいにキンキン鳴いている鹿の声を聞きながら、熾火をおこし直して飯を食い、眠くなるまで火遊びする。
自分はいつものようにテントは持たず(重いから)、ブルーシートだけのホームレススタイルだが、間違えて小さいサイズ(一間四方)のものを持ってきてしまった。木の間にロープを渡してブルーシートをかぶせるが、小さいので身体が入りきらない。
雨が降らなくてよかった。降っていたらびしょ濡れで眠れないところだった。まあ、一晩くらい寝なくても死にはしないが。
翌朝は6時起床。予定どおり尾根は詰めず、沢をそのまま下り、途中でぶつかる遊歩道を歩いて帰る。
駐車場のすぐ近くでは、テントの横で朝から宴会をしているおじさんたちのグループがいた。ただ宴会のためだけに幕営しているらしい。ある意味で、贅沢なことである。
途中の温泉で汗と煙のにおいを落とし、八王子で散会。食事してから帰宅。
東京はうだる暑さで、戻ってきたばかりなのに、もう水流が恋しくなった。
夏のうちにもう1回くらい、水のきれいなところに行きたい。
●反省
・「ハイパーV」は、赤コケのあるところではグリップしない。ジョギングシューズよりはまし、という程度。滝をクライミングするなら、やっぱりフェルトに限る。
・食料をぴったり食べきった。ということは、万一の遭難の際の予備がないということ。もっと多めに持たないとダメだった。
・焚き火の煙を吸い込みすぎたのか、翌日の夜から頭痛がひどかった。