そろそろ還暦なのに、まだダイエットですか

前の記事のあと、と書きはじめたところで、その前の記事を書いたのがいつかを確認したら2022年2月2日だった。ほとんど3年近く前の記事ということになる。光陰矢のごとし。

その前の記事のあと、いったんは痩せた。毎年、12月に健康診断を受けているが、2021年12月は68.0kgと記録されているのが、2022年12月の記録では61.0kgだった。ちゃんと、ダイエットは成功したのだ。それが、2023年12月は63.8kgまで戻った。この2年、運動と呼べるものはだいたい1日おきの散歩くらいで、他にはほぼ何もしていない。

その後、今年(2024年)に入って、着実に成長を続け、夏には約70kgのデブに逆戻りした。1年ほどかけて9kgくらい落として、そこから1年半ほどで同じだけ増えたことになる。

寄せては返す脂肪の波。満潮と干潮を繰り返す大海原のごとき、収縮と膨張を繰り返す我が腹よ。

ただ、散歩のおかげか、たまに血圧を測ってもそんなに上がっていない。下が90、上が140くらいで安定しており、高めではあるが、そろそろ還暦という年齢を考えれば許容範囲だろう。困ったのはパンツ(下着)を全部Lサイズに買い換えなければならなかったことくらいだ。このままでも、別にいいかと思っていたのだ。どうせもう先も長くないのだから。

話は変わるが、今年に入って、上述のようにそろそろ還暦という年齢を急速に意識するようになった。年齢はただの数字だが、実態としても、心身にかなりの変化が生じている。気力も体力も、急速に衰えていることを実感していた。まず体が疲れやすい。そして気力面の衰退は著しく、なにかしようと思っても「面倒」という気持ちが先に立ち、なかなか動くことができない。特に、仕事に対する意欲が激減していた。ここ数年はかなり忙しかったので、もしかしたらその反動で、軽いバーンアウト状態なのかもしれない。

それで、意識して仕事の量を減らした。私はフリーランスなので、仕事量は自分で決められる。仕事を減らせばもちろん収入も減るが、自分ひとりと猫2匹が、ごはんを食べられればそれでいいと思えば、かなりの仕事を減らせる。数年後、65歳になれば年金ももらえるので(ほぼ国民年金なので、月10万円にもならないが)、それまで乗り切れればいいだろう。いざとなればタイミーだってある。いまさら、仕事でのあるいは人生での「成功」など考えなくてもよいだろう。それはそれで少しさみしいことではあるが。

それに、65歳までだって生きられるかどうか、怪しいものだ。つい先日、福田和也が63歳で亡くなった。坪内祐三が亡くなったのは61歳だった。私と同世代だった西村賢太は、すでに他界している。そう思えば、自分の残りの人生も、あと何年あるかわからない。

残された時間があと数年かもしれないと思えば、仕事なんかしている場合じゃない。そう思ったら、仕事以外のことをやる意欲が、少しわいてきた。

ちょうどそのころ、大学時代の知り合いが、ハーフマラソンの大会で完走したという日記をFB(フェイスブック)にあげていた。

彼とは大学を卒業後、ずっと交流がなかったが、2年ほど前に、学生時代の共通の友人が亡くなり、そのお通夜で30年ぶりくらい再会した。若い頃はスマートだったのに、100kgくらいありそうな巨体になっていて驚いた。「大きくなったな」みたいな軽口をたたいたら、「次は俺の番だよ」など苦笑しており、内心、「そうかも」と思ったが、もちろん口には出さず、お互い健康には気をつけようみたいなことをいって別れ、その後FBでつながった。

その彼が、最近ハーフマラソンの大会に出場して完走したというから驚いた。写真を見たら、相変わらず肥満体ではあるが、やはり2年前よりは引き締まっている。相当にトレーニングを積んだのだろう。私は、彼を心底尊敬したし、また刺激も受けた。この歳でもまだやれるんだ、と思った。

私もクライミングを始める前はランナーだった。フルマラソンはサブフォーだったし、ハセツネカップも完走している。まあ、いまさらフルは無理としても、ハーフくらいなら走れるかも? しかし、まずはこのたるんだ体をどうにかしなければはじまらない。

そうして、ダイエット戦線に復帰することにした。

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